よりよい自分を常に探す | 松本 雅代
では、例えば今やっていらっしゃる仕事に対して「出来た!」と思った瞬間が来たとしたら、そのときはもしかしたら新しいことにチャレンジする時期なのかも知れませんね。
今はこれというものはないですね。でも、生活を豊かにすることと、地域活性みたいなことには興味があって。それはやっぱり、お店で働いているからかも知れないんですけど、行きたくなるお店とか場所とか、そういうものを作り上げることには興味があります。
あと、私は自然が好きなので、自然の環境とセンスのある何かが、良いバランスでミックスされたものが理想的で、そういうものには興味がありますね。
”生活を豊かにする”というキーワードを繰り返し仰るなかで、松本さんのなかでの”豊かさ”っていうのは、どんなイメージなんでしょう?
それは、意外と”モノ”ではないのかな?という思いが今はあって。私は”経験・体験”かな、と思うんですよね。感覚が動くこと。忙しい人は、そういう部分が停止しているような。そこをフルに活用しないといけない仕事をしている私でさえ、何かに囚われるとそこが鈍るんです。
でも、そういう感覚が鋭くなるということは、ちょっとしたことも楽しく感じられるので、何かを経験したり体験したりすることは、とても大事だなと思っています。そのツールとして服を使ってもらう…例えば、旅行やキャンプに行くのに「この服を着ていこう」とか、そういうアプローチですね。
これは人それぞれの価値観なのでそうでない方もいらっしゃるとおもうのですが、モノをたくさん持っているということが”豊か”という段階もあるけれど、私の感覚としては、”それに必要なモノ”みたいなことのほうが大切ですね。あるいは、お店に来て”刺激された”とか。そういうものを提供したり、自分自身もそういうものを感じて生きていきたいと思いますね。
そういう価値を提供する仕事をしていくうえで、大事にしていることは何ですか?
先ほど「チャレンジしていくこと」という話をしたと思うんですけど、それって今の自分も認めながら、よりよい自分を常に探すというか、今の自分に満足せずに、新しいものをインプットしていくというか、それを大事にしていますね。マンネリしない、というか。感性を研ぎ澄ませるための”経験・体験”ということをいつも考えています。
”生活を豊かにする”というテーマがご自身の中にあるので、それは仮に今とは違う人生を歩んでいたとしても、同じことを考えると思いますか?
一緒だと思いますね。それを突き詰めていっているのが今の仕事というだけで、違う仕事であれば、そこを大事にしながらまた違うアプローチをしていると思います。たぶん出来ることが違うと思うんですね、今と。だから、もっと仕事と生活のメリハリがある仕事であれば、また違う感覚で楽しんでいると思います。
これから先、近い将来のイメージはお持ちですか?
仕事に関しては、これからもこういう仕事に関わっていけたらいいな、というのはありながら…結婚して子育てはしていきたいな、と思います。そのなかで、また大事なものが変わると思うんですよ。仕事の中にもまた、変化が出てくると思うんで、そこも出来ればやっていければなというのがあります(笑)
そこはそこで、また新しい体験ですよね。
そうですね。
写真・文/OURSELVES 取材協力/SHIRO46