自分自身が楽しむ | 札本 咲子
ご出身は宇部ですか?
宇部です、はい。
今のお仕事は、楽しくやっていらっしゃるんだろうな、とお見受けしますが…特にどんな瞬間が楽しいですか?
取材で話を伺っているときに、その方のバックグラウンドとか、人柄みたいなものを短時間で吸収して、「あ、この方だったら、こっちの言い回しのほうが雰囲気に合ってるな。」とか、そういうことも考えるので。結構がっつり、根掘り葉掘り…究極をいうと”生い立ち”から聞くんですよ。どこでお生まれになったとか…その人の人生になりきって話を聞くんですよ。色々な方の人生の小さな1コマになれるじゃないですか。取材を受けるなんて、今の私も含めてきっと滅多にない機会じゃないですか。例えば、結婚式は一生に一度ですよね。そこに携わったプランナーさんにとっては何回のうちの一回だけど、式を挙げた方にとっては一回のうちの一回ですよね。私も常にそういった気持ちでいます。
お話を聞いている瞬間が、その人の人生の一部で、その一部を共有できた…というようなことに、喜びを感じる?
そうですね。
そのときは結構(気持ちが)入り込んでいる?
入り込んでますね。
そういうときに、感情の高ぶりがあったりもしますか?
取材をしていて、泣きそうになったこともあります。
その感じは、やっていくうちに身についたものですか?
やっていくうちに、でしょうね。あ、分かった。よい表現が思い浮かびました。話を伺っていたら、(右耳の上あたりの空を挿して)この辺で映画を見ているみたいな、ストーリーを見ているような感覚になります。
あー、自分の(右耳の上あたりの空を挿して)この辺で。
ドラマか映画を見ているような気分になるんですよ。
目の前に喋っている人が居て、その方が喋っている内容が、映画のように浮かんでくるんですか。
そうですそうです。「たぶんこんな感じなんだろうな。」と。
そういう感覚が、やっていくうちに身に付いたと。
そうですね。…なんか変ですね、言っていることが。
いえいえ、変じゃないですよ。そうか、映像が見えるんですね。で、それを記事にするときも「この人はこういう人だから、こういう書き方をしよう。」と。
そうですね。記事を書くのに時間は掛かるんですけど、話を聞きながら原稿が出来るんですよ、頭の中に。
あー。これは書き出しに使って、締めはこの言葉で…という感じですね。
そうですそうです。
分かります(笑)
ですよね(笑)
インタビューに行かれる前に、質問内容を考えますか?
もちろん考えます。
どのくらい細かく考えますか?
うーん、項目として自分が用意するのは、5~6個、多くても7~8個ぐらいですね。話を訊いていくなかで、枝分かれしていくので、だんだん必要な情報は得られるので。
例えば、用意したけど訊かなかった質問とかはありますか?
そのパターンは今までないですね。
決めていった質問は全部訊くと。
全部訊いて帰ります。