言葉にしてもらう | 佐藤 理絵
あの人も同じことを言っていた、あの人も、あの人も…というのが3回続いたら、だいたいみんな同じことを考えているのかな、みたいな?
福岡さん だったらやってみようかな、と。
そこの判断基準が、3回ぐらいだと。
福岡さん そうです。面白くない(笑)
いやいや、でも分かるような気がします。
福岡さん 人と話をしていて、私たちの仕事は決まっていくので。
逆に、自分たちの中から湧き上がってくる野望みたいなものは?
福岡さん ないない。
佐藤さん ないんですよねー。「こうしたい」とか「この街をどうしたい」とかいうのもなくて。
福岡さん みんながやりたいように、なればよいと思うし、「足りないのなら手伝います」という感じです。
佐藤さん 「それたぶん、違う感じで考えられます」みたいな。みんなが思っているところと、違う感じで出来ます。で、あなたが担当するのは、あなたの得意なところだけでいいです…みたいな、そんな感じですよね。「業務」というよりは、得意なところと得意なところを一緒にしたら、別の良いことが出来るよ、という感じの仕事ばかりのような気がします。
なるほど。何かを望む人って、自分では出来ないから望むわけですもんね。その出来ないところを、他の人の出来ることで埋めてあげる、というようなことなのかな?
福岡さん 「こんなことして」ということを、ぼんやりと言う人と一緒にやっても、あまり上手くいかないんです。「この部屋空いているから、何とかして」と言われても、その「何とか」のしようが具体的でない場合は、仕事が成り立たないんです。
どういう風になってほしいか、というところが重要なんですね。
福岡さん 逆に「人が一杯入るようにして欲しい」というほうが、具体的に考えられる。
佐藤さん それがある人じゃないと、サンカッケーにはならないんです。私たちと、あなたと、誰かを繋げられないし。「お金をあげるから何でもやっていいよ」と言われても、その人にしたいことがないなら手伝えません。まず、思いや自分の役割のようなものを、分かっている人とやりますね。
福岡さん 思いがないと、支えられないというか。私たちは助走をつけるというか、追い風の役割なので。思いがないと、いくら後ろから扇いでも、進まないわけですよね。なので、自分たちから「こうしましょう」「こうしなさい」ということもないし、「何かして」と言われても「何をするんですかねー?」と言って、いつもとぼけます(笑)
佐藤さん あ、サンカッケーが大事にしていることは、「話させる」。
話させる?
佐藤さん 「こうですよ」とか絶対に言わないし、「こう思いません?」とか誘導もしないし、こう「ポンっ」て置く感じ。
言葉に出させる?