慎重になり過ぎない | 山城 麻衣

なるほど。で、大学に入学されて、教育学部の音楽教育を選考されて。

はい。

音楽教育という過程を選ばれたのは、何か思いがあったんですか?

うーん、教育にそんなに興味があったわけではなくて。でも、私立の音大はすごくお金が掛かるので。で、先輩が山口大学の音楽教育に行っていて、先生がすごく良いという話を聞いていたので、実家から通える大学を受験しました。

なるほど、教育に興味があったわけではない。

そうなんです(笑) とにかくピアノがやりたかったので。だから、みんなが採用試験の勉強をしている中、全然採用試験もうけずに居ました(笑)

(笑) そっちには、あまり熱は入らなかったんですね。

そうですね(笑) 一応、免許は取りましたけど。

大学院まで行かれたんですね。

そうです。大学院も、とにかくピアノがやりたいと言って、みっちり2年間やりましょうということで。

とにかくピアノが弾きたかったと。

はい。

大学を卒業されてからは、どうされたんですか?

えーと、大学院の2年のときに、芸短(山口芸術短期大学)の非常勤の話があって、それで面接を受けて。大学院2年の後期から勤務したんです。

そうなんですね、学生のときからお仕事が始まっていた。そこはすんなりと決まったんですか?

そうですね。採用試験を受けようかな、と思っていたときに、先生から「芸短に空きがあるから受けてみないか?」と言われて、「じゃあ、採用試験は受けずにそっちを受けます。」と(笑)

試験を受けるのは、あまりお好きではない?

というよりは、やっぱりピアノがやりたかったので。学校の先生になったら絶対に出来ない、という話を先輩から聞いていたので。自分がピアノを弾けなくなるということが、ちょっと不安だったのが一番の理由ですね。

芸短の非常勤のお仕事は、ピアノの先生だったんですか?

そうです、ピアノを教えるお仕事ですね。それと、空き時間があるので、自分の演奏もしていけるというのが大きかったですね。

なるほど、それで芸短のお仕事を始められたと。

そうですね。

そこから、ずっとやっていらっしゃるんですか?

そうですね。その間、学芸大に変わったりもしましたけど。で、今年の4月から、芸短で講師を。非常勤の間は、他の学校にも勤めていました。

講師のお仕事はどうですか?

去年までは非常勤だったので、授業のみだったんですけど。幼児教育なんですよ、保育学科幼児教育コース。なので、幼稚園の先生とか保育士になりたい人が生徒なので、全くの初心者も居ますし、弾ける人も居ますし。ピアノを弾けない人たちが、卒業するまでに上達して、「ピアノが楽しい」と言ってもらえると、本当に嬉しいです。で、歌もやっていたので、歌が歌えるということが今役に立ってます(笑)

ああ、幼稚園とか保育園だと…

はい、歌がメインなので。歌にうるさい先生と思われています(笑)

そうなんですか(笑) ご自分で楽器を弾くのと、人に教えるのって…

うーん、本当に基本的なところ…楽譜が読めないとかいうところは、私は気付いたときには読めていたので、「どういう風にしたら読めるんですか?」と聞かれたら、正直分からないことが多いんですけど。でも、そういうことが出来るようになって、どうやったら表情豊かに聞こえるか?ということに関しても、自分で弾いているときには、ただなんとなくやっていたことを、言葉にして説明しなくてはいけなくなったときに、「そうか、自分でもこういう風に思ってやっていたんだ」とか「こういう風な指の動きをしたら弾きやすくなるんだな」ということが、教え出してからも色々と分かるようになりましたね。

そうか、自分で弾かれるときは「もっとこうしよう」とか考えずにやっていらっしゃるんですね。

そうですね。私も、大学で色々と先生に教えて頂いて。「あ、こういうことだったんだな」ということが分かったり…

何か新しい発見があったり。

そうですね。そういう面では面白いですね。