風のように生きる | 林 祥子
普段は求人情報誌の連載なので、働く女性に話を訊いているんですね。今、お仕事は…
無職ですけど(笑)
ですよね(笑) なので、仕事というよりは、祥子さんの役割とか、その辺の意識について訊けたらいいなと思いまして。
役割…私が生きているうえでの役割ですか?
大きく出ましたね(笑) 例えば、会社に所属しているとき、あるいは「宇部未来会議」のような市民団体に所属しているとき、その組織の中でのご自身の役割というものを、意識されているのかな?と思って。
うーん…それはあまり意識していなくて。自分自身が楽しんでいるだけで、自分が楽しめば周りも楽しむかな?というところはあるので。あまり、自分の役割はこれだから、これをしなくてはいけない…とは意識してないですね。人に求められたものを、何倍にも返してあげたいというのは、いつも思っているので。人が自分に求めているものって、なんとなく分かるじゃないですか。そのときに、サプライズ…相手が「このぐらい返ってくるかな?」という基準よりも、どーんと上をいって返してあげるように心掛けているかな。
なるほど。求められているものが、何となく分かる。
エスパーですから。違うけど(笑)
求められているものを何となく把握して、それ以上のものを返したい…と。それ以上のものを返したい、というのは…
喜んで欲しい、人に喜んで欲しいという思いがあります。
なるほど。前に何かの機会で言ったことがあるんですけど、祥子さんは基本的に「過剰」なんですよね。
過剰なんです(笑) 何かをやり出しても、自分の中で「これじゃ納得できない」という思いがどんどん膨らんできて、「まだまだ」と、どうしても思ってしまうんです。それは何ででしょう?
それは、自分のことに関しても、人から求められたことに関しても、そうなんですか?
そうですね。
それって、昔からそういう性分なんですか?
うーん、小学生の頃から変わってない気がします。基本的に、負けず嫌いで。私は三姉妹の真ん中で、真ん中の子って親に見て欲しいから、認められたくて勉強を頑張ったり運動を頑張ったり…根本にそういうものがあると思うんです。だから、人に認められるとか褒めてもらったりすることで、自分の存在意義を確認するというか…。だから、人に褒められるのは今でもすごく好きで。で、人のために何かするのか?といったら、そうでもないんですけど。でも、根本にはそれがすごくあるのを、自分でも感じています。
そうか、より褒められたいから、提供するものも「もっともっと!」となっていくんでしょうか。
うんうん、「うわーすごい!」とか言われたら、もう有頂天になっちゃう(笑) 褒められて伸びるタイプかも知れない(笑)
なるほど、褒められたいという思いがあるんですね。今月、東京に引っ越されるんですよね。
29日に出発します(インタビュー収録日は19日)。青春18切符を使って、北海道まで行こうかなと。
なんで北海道まで行くんですか(笑)
ぐるっと回って、東京へ行こうかなと思って(笑) 普通に直接飛行機で行ったほうが早いんですけど、労力と時間を掛けて行くことで、そこでまた何かを発見したりすると思うんです。悲しい別れになるよりも、「旅するぞ!楽しいぞ!」と思って出るほうが、私の性分に合ってるなと思って。だから、今はもう旅のことしか頭にありません(笑)
今の「発見がある」みたいなことも、自分自身もサプライズを求めているような部分があるんでしょうか。
うーん、なんでしょう。自分で実際に見てみたい、という思いがすごく強くて。結局、人の情報だったり映像だったり写真だったりって、その場所に行かないと本当のことって分からないし、伝わらないことも多いじゃないですか…その場の空気だったり音だったり。それを、自分自身が実際に見て、感じるということをしたいな、と思っています。