弱くても大丈夫 | 臼杵 万理実
臼杵さんに限らず、作品を拝見するときに、それが作家さん自身の投影なのかな、それとも作家さんの中に無いもの・・・願望の投影なのかな、みたいなことを考えたりするんです。
なるほど。これは、自分の中に全く無いものではないような気がしますが、願望も少しあるかも知れません。見る人に「大丈夫」ということを伝えたい気持ちがあります。強気な感じの絵が、あまりないですよね。ボーっと考えていたり、のんびりしていたり、考え事をしているような顔とか…そんな感じでやっていきましょう、というような絵が多いです。
そんな感じでも大丈夫だよ、と。
そうです。
霧が晴れたような顔で、しっかりと前を向いて…そんな風に生きなくてもいいんだよ、と(笑)
そうですね。ジトジトしていても、それでも大丈夫、なんとかなるよ、というような。
ご自分の性格はどうだと思いますか?
まあ、絵と似たような感じですね(笑)
(笑) フリーペーパー「teteyoto」の制作に関わるようになったのは、どういういきさつなんですか?
それは、「teteyoto」の裏表紙を、いつも色々な人が描いているんですけど、ある日「描いてみませんか?」と紹介されて、そこに絵を描いたのがきっかけで。そこから、編集長の石川さんと一緒に取材に行ったり、写真を撮ったり、誌面のイラストを担当したりしています。
どこを取材するとか、ライブに誰を呼ぶとか、そういった企画の部分にも関わっていらっしゃるんですか?
どこを取材するかは、相談しながら決めています。あとは「取材して欲しい」という依頼を受けたりもしています。
そういう活動が、作品をつくることに影響を与えたりしていると思いますか?
そうですね。色々な人と出会うので、刺激を受けて、そういうものが影響しているかも知れませんね。
(誌面の写真を見ながら)写真を撮影するときは、作家性みたいなものは意識されてますか?
フリーペーパーの写真を撮るときは、自分のこだわりみたいなものよりも、それぞれのお店の良さや、雰囲気や、写真を観た人が行ってみたくなるような写真を目指して撮っています。
そこは依頼のお仕事のスタンスに近いのかな。
そうですね。
絵画教室はどのような感じで教えられるんですか?
いつも「これをしよう」と決めてやるんですけど、みんなが楽しめるのが一番よいので。年齢がさまざまなので、どの年代の子も楽しめるようなことを、いつも考えながらやっています。
全体を通じて、なんとなく「みんなに楽しくあってほしい」というような気持ちがあるようですね。
そうですね、それはあるかも知れないですね。
作品にしても、作家としてどう思われたいか?というよりは、見た人のことを肯定したいというか。
そうですね、全体的にそういう気持ちがあるような気がします。
臼杵さんとお話しするのは今日が2回目なので、まだどういう方なのか掴みきれていないんですけど…自己主張が強いわけではないけど、かといって優柔不断な感じでもないな…というような、意外と頑固なところがあるんじゃないかな?という印象を受けました。
そうですね(笑)
当たってますか(笑)
どうなんでしょう。よく言われるんですよね。「自己主張がないよね」とも言われるし、「頑固だよね」とも言われるし(笑)