風のように生きる | 林 祥子

なるほど…祥子さんが気持ちよく生きるために、心掛けていることはなんでしょう?

気持ちよく生きるために…そうですね、何でも全て楽しみに変えていくこと、辛いことも苦しいことも、それすら楽しみに。それって、なかなか難しいことかも知れないですけど、発想を切り替える。自分が悲しみに暮れているときに、ふと客観的に見たら、他人はその悲しみなんか知ったことじゃないんですよ。

他人は何も感じてないので、自分だけがこんなに悲しみのどん底に居るのが、アホらしくなっちゃう。そんなに悲しんでいる必要性もないんじゃないか?って、そこはすぐマイナスのほうに行かないように切り替えるようにしています。あと、人のことを気にしない、執着しない。

「人のこと」というのは?

例えばFacebookやTwitterに投稿される内容って、一種の作られたものじゃないですか。実際はどうかも分からないし、本当に幸せなのかも知れないし、そうじゃないかも知れない。いちいち人の生活とか、どういう仕事をしているとか、何を成し遂げたとか、そういうことに関して、いちいち羨ましがったりとか妬んだりとか、自分はまだまだダメだとか、もっとこうしなきゃとか…思わない。

で、人からどう思われているかも気にしない。「自分がすごく好きな人だな」とみんな思ってるかも知れないですけど(笑)、別にそれはそれで私の楽しみ方だし、そういうのをあまり気にしないのが一番だろうな、と。それが、心地よく生きるためのことかな。

人のことは気にしない、人からどう見られているかも気にしない。

うん。

でも、「私は私」という、確固たるものも強く持ってない。

うん・・・何も持ってない(笑)

(笑)

風のようにね、空気のように生きる(笑)

美しいじゃないですか(笑)

自己主張もせず…そう、だからそれこそまさに「自然に還る」ですよ。

ああ、そうだ。

だから本当にナチュラルに生きたい、というか。やっぱり、自然の中に居るのが今でも凄く好きだし。自然から得られる空気感というのが、すごく心地良いんですよね。あ、強いて言うなら、老後はハワイに行こうと思います。

ハワイ?

ハワイで老後を過ごそうと。観光地ではなくて、自然の深いところに住んでいる人たちのことが、何かの記事に載っていたんです。現地の人たちの暮らし方に、とても共感して。屋久島にも移住しようと思ってたんですけどね。

まず屋久島に移住して、老後はハワイに。

(笑) でも、それぐらいですかね。楽しみに変えるということと、気にしない。

自然物のように。「花のように生きる」というと可憐過ぎるから…

風のように生きる。流されるがままに(笑)

「草」かな、と思ったんですけど(笑)

雑草(笑) 雑草は、そこに根を張るじゃないですか。根を張らないほうがいいから。

ああ、そうか。飛んでいったほうがいいんですね。じゃあ、やっぱり「風」か。

ナウシカに憧れていたので(笑)

そこかー(笑)

[写真・文/OURSELVES]