それでも、私はそうやっていきます | Kinuyo

以前、Kinuyoさんのステージを拝見したときに思ったのですが、「自分がどう見られたいか?」というよりは「場を盛り上げたい」みたいな意識でステージに立っていらっしゃるように感じました。

やっぱり昔は「自分が自分が」っていうのがあったんですけど、今は「自分はこれが歌いたい」とかじゃなくて、「ファンの人たちがどんな曲を求めてるか?」や「聞いてくださる人に喜んでもらいたい」という思いがすごくあるから、そういう視点で選曲したり、パフォーマンスしたり、演出したりしています。

その転機は?

やっぱりファンの人たちが増えてきた事によって。最初、ファンの人たちが居なかったときは「自分が自分が」「これ歌おうこれ歌おう」ばかり考えていたけれど、活動を重ねていく中で、お客様から、「これ歌って!」って言われることもあって、それが何度かあって、お客様のリクエストも大事にするようになりました。リクエスト曲を歌うことで喜んでもらえたことがうれしくて…。笑顔で喜んでもらえるのが、すっごく嬉しくて。

「あ、こうじゃないといけないんだ」って思った。需要があって、初めて自分が必要とされるから。聴いてくれる人がどう思うか、これが大事なんだって思いました。そして自分の歌で喜んでもらえるのってこんなにもうれしいんだって気づきました。なんていうのかな、それからはやっぱりその人たちを楽しませたい、喜ばせたい、そのためにどうしたらいいか?って、聴く人目線で考えるようになりました。

ファンの人ってありがたいですね。

本当にありがたいですよ。毎回すごく元気をもらいます、いつもいつも。「頑張って!」とか温かい言葉を掛けてもらったり。結構自分の作った曲って自信がなかったりするんですど…何て言うんですかね、昔から常に自分に自信がないので、だからいつも不安なんですよ、いろんなことに対しても。

だから歌でも不安になるし、自分はいいって感じていても「本当にいいのかな?」って思うこともあって、それを「いい!」と認めてくれると嬉しいし自信になるし。あと路上ライブでも、毎回来てくれたりとか。交通費も掛かるし、時間も私に割いてくれるわけじゃないですか。それってすごくありがたいことですよね。そう、だからそんな感じです。

いま活動されている中で、ご自身のモチベーションはどういうところにあると思いますか?

やっぱり、ファンの人に「恩返しをしたい」というのが常にあるので。

恩返し、ですか。

はい。

お話を伺っていると、ファンの方々と良い関係が築けているようですね。ファンの人から元気を頂いていると仰いましたが、おそらくファンの人もKinuyoさんから元気を頂いていて、うまく循環しているというか…

(目を潤ませて)そう、本当に嬉しくて…いつも。元気をもらってるよ、ありがとう!って感謝の言葉を言ってくださる方がたくさんいて…。でもわたしの方がもっともっと元気もらってるんです!それに対するお返しができてないなって…。わたしばっかりもらってばかり。

ファンの人たちが居てくれるから、今も諦めずに頑張れているから…そうですね。モチベーションもやっぱり、ファンの人が応援してくれるから頑張れる。それに尽きます。うまく言えないけど、ファンのみなさんには感謝の気持ちでいっぱいなんです。言葉にできないくらい…。