ちゃんと気を抜いて | 桜井 愛子
すごいなあ。揺るぎないですね。話は全然変わるのですが、日課として八丁浜総踊りというものをやっていらっしゃるそうですね。
ああ八丁浜。ご存知ですか?盆踊りみたいな感じですよ。
それは下関の?
はい。亀山八幡宮はご存知ですか?唐戸市場の目の前に、大きい神社があるんですけど。下関の繁栄のために人柱になって亡くなった、お亀さんという方を讃えて、毎年ゴールデンウィークに総踊りをやるんですね。唐戸地区みんなで、杓文字を持って踊るんです。大した踊りじゃないんですけど、その八丁浜を踊る意味…お亀さんを讃えて、下関の繁栄を願って…という、そこが私にとって合うな、と思って。
盆踊り好きなんですよ。昔から大好きで。みんなで輪になって踊るからいいですよね。途中で入ってきたり、抜けたり。ああいう感じが好きなんです。家でやってます。くだらない話ですね(笑) ゴールデンウィーク見てもらいたい。八丁浜。すごい大行列なんですよ!企業の人たちが、自分たちの会社の法被を来て踊ったり。あと、高校生とかも、すごい人数で来ちゃって。面白いですよ!
下関は歴史がある町だから、昔からの慣わしやお祭りが沢山ありそうですね。他の町のお祭りにも興味はあるんですか?
もう大好きです。「宇部まつり」にも泊りがけで行きましたよ(笑) 小さいお祭りであればあるほど好きなんですけど、観光客の方にはなかなか伝わらないので、大きいお祭りは頭に入れておかないと、と思って。どういう趣旨でやっているかとか。だから「宇部まつり」は大好きですよ。宇部市誕生を祝っていらっしゃるから、ああいう感じのお祭りは好きです。
宇部の人は割と、地元の出来事に対してドライなところがあるんです。
そうなんですか?私が関わった人たちは、すごく熱い方ばかりだなと思いましたよ。そういうところに集う人って、やっぱり熱いんでしょうね。そうでない人との差がすごく激しい。長州はどこもそうですよね、きっと。そういうのはあるかも知れない。
この前、主人が「楠マラソン」に出たんですけど、楠はむちゃくちゃ良いところですよね。どこかのおばちゃんが「楠いいところでしょう?」「そう、田舎だし何もないと思っていたけど、この田園風景落ち着くわね。」みたいな会話をしていらっしゃるのを聞いて…これこれこれ!みたいな(笑) こういうの大好きで、私もその会話に入っちゃったんです。「私も好きです!」みたいに(笑) カメラを持って歩いていると「あら、カメラマン?」と話しかけてくれたり、「楠いいところよね~。」とか、そういう話が出来ただけで、もうおなかいっぱい。もう本当に幸せですね~。
その感覚って、言語化が難しいですね。単純に人と触れ合ったというのとも、ちょっと違うような気がしますね…もっとこう、濃いものが…
そう、濃いもの。公民館に行かないと分からないと思う(笑) ああいうところに行くと、そういうことだらけだから。
そうか、そういうところで得られる感覚なんですね。
そうそう。市報を見るときも、文章を読んでいるんじゃなくて、この辺(地域)の人たちが頑張っているのかな?とか、そういう感じで見るから、他所の町に行くと、だいたい役場に寄ってそういう冊子を取って帰るんですよ。大好きなんです。
知らない土地の市報を見て、知らない人が頑張っている姿を見て、気持ちが高ぶるわけですね。
そうそう、色々と想像して。
その感じってなんなんでしょうね?自分の知り合いが市報に載っているから見る、という人は多いと思うんですけど…。昔からそういう感覚ってあったんですか?
ありました。それが目的で行っていたようなものなので。そのときは言葉で表現するのが難しかったので、母に「そんなところばかり行ってないで、普通に遊びなさい。」と心配されたり、「もっとお洒落に気を遣いなさい。」と怒られたりしていたんですけど…
なんか、そういうものじゃないんですよね。そこに行って、何をしたわけじゃないんですけど、すごく満足感があるんですよ。楽しいし。何なんだろう?当時は分からなかったんですけど。
今は分かるようになりましたか?
うーん…やっぱり、私の元気の源というか、そこでパワーを頂くので…人と人との繋がり…うーんなんだろう?(笑) 観光客の方々にも、そういう面をちらっと見せると、もっと歴史なんかもすっと入ってくるんじゃないかな?と思うんですけどね。
私、今まで色々とボランティアをやっていて、お年寄りの体を拭いてあげたりとか、歌を歌ったりとか、部活も手話部の部長をしたりとか…なんでその部を選んだのかよく分からないんですけど、なんかそういうのが好きみたいで。そういうことを色々やってきたなかで、観光ボランティアが私の中で一番しっくりきたんですよね。そういうところにたぶん、公民館系のことが繋がっていると思うんですけどね。