ちゃんと気を抜いて | 桜井 愛子

なるほど。お話を伺うまでは、観光フレンズというお仕事が柱としてあって、そこから仲居さんだったり紙芝居だったりに繋がっているのかな、と思っていたんですけど、観光フレンズを含めたもっと大きな枠=目標があるんですね。

そうです。この観光フレンズという期間で、桜井愛子という名前を、色々な方に知って頂けるチャンスが沢山あるので、この間に私が動いたことが、お客さまに情報として行き渡ったりするんじゃないかと思って。今の期間がものすごく必死というか、一日一日が惜しいんですよね。

観光フレンズは期限があるんでしたっけ?

はい。今年(2013年)の5月末で終わりです。

そうか。元々”県内観光”という目標があっての観光フレンズなんですね。

そうです。海峡ゆめタワーのときは、どうしても海峡ゆめタワーをメインで推して、下関の観光スポットを推さないといけない。そうじゃないといけないし、そうあるべきだと思う。でも、他のところで働かせて頂くと、県内全体をご案内してもいいと言ってくださるところもあったので、そういうものを目指して、という感じですね。

県内観光を広めたい、という目標に至ったきっかけはあるんですか?

やっぱり、地元が大好きで、公民館が大好きで…という、そういう人との出会いが、山口県の中で沢山あって。そういう人たちの思いとか熱い行動が、色々なイベントをしたりとか、そういう取り組みに繋がるわけじゃないですか。そういうのを知ってもらいたい、と思うようになったからですね。例えば防府でガイドのおじいちゃんに会ったら、そのおじいちゃんのことをもっと知ってもらいたい、とか。

人との繋がりが先にある、という感じですか。

そうですね、はい。

こうしてお話を伺っていると、情報発信されるときは常にオンの状態というか、そういうモードに入る方なのかな?という印象です。それもたぶん、ディズニーストアでの経験が活きているんでしょうか。

そうですそうです。成り切っていますね。

こうありたい、というイメージがあるんでしょうか?

そうですね。ディズニーマジックを教えてもらったときに、これまでにないぐらい褒められることが多くて。それで、調子に乗っちゃったんでしょうね(笑) それまでは、小学生の頃なんかは発表するのも怖かったし、自分から意見なんかも言いたくなかったのに、ディズニーストアをきっかけに「そういう自分もいいのかも知れない」って。私が発するマジックの言葉がお客さまに響いていたりとか、それを上司に評価してもらったりとか、それがすごく快感だったんですよ。忘れられなくって。それが今だに響いているというか、行動に出ちゃうんですよね。

もう体に染み付いてるんですね。

はい。もう、それが欲しいために観光情報を発信したいので。お客さまの「ありがとう」が、もうそれだけが私の元気の源というか。本当それだけです。クレームを頂くことも沢山あるんですけど。観光フレンズとか紙芝居は、褒められることが沢山あるんですよね。

でも、仲居さんのお仕事は、どれだけプラスのことをしても、ひとつマイナスのことがあるだけで、私がやったことでなくても、クレームになっちゃうんですよね。私がちょっと関わっただけで、私のクレームにもなってしまうから。

それですごく打撃を受けて、もう凹んで這い上がれない…と思うことも沢山あるんですけど、その旅館で頂く褒め言葉や感謝の言葉ほど、身に沁みるものはないと思うぐらい、すごく大事な…挑戦ですね、私にとっては。一番きついし、一番楽しい仕事ですね。やればやるだけ、本当に返ってきます。紙芝居とかフレンズは…自己満足の世界ですね。

そうなんですか?

はい、たぶん。タダだし、一生懸命にやればやるほど「ありがとう」が返ってきて当たり前かも知れないけど、お金を頂く以上は…という風に考えると、やっぱり重いですよね、お客さまの言葉が。「ありがとう」ひとつにしても。でも、やっぱり頑張れるのはディズニーマジックとか、私の中では「他の人には出来ないぞ」と思えることをやっているつもりなので。そこを武器にして頑張りたいなと思っています。

他の誰よりもうまくやれるぞ、ということですか?

そうですね。表現のしかたが違うから、私だったら歴史的な部分だけじゃなくて、こういう表現をしてお客さまに見てもらえるようにご紹介したいな、と考えたりとか。ディズニーマジック大きいですね。

なるほど、面白いですね。5月に観光フレンズの任期が終わるわけですが、その先のプランも考えていらっしゃるんですか?

そうですね。私、1月1日に結婚いたしまして。

ああ、おめでとうございます。

ありがとうございます(笑) これからは、これから作っていく新しい自分の家族と、山口県をエンジョイしたいなと思っていて。子供から見た山口県とか、例えばちょるるにしても神社にしても、きっと違うんだと思うんですよ。私の相棒…というか主人から見た山口県とか、それもきっと違うんだと思うんですよね。そういう意見を聞きながら、私自身も成長して、仲居さんの仕事や紙芝居を続けながら、視点を変えた楽しさをもっと知りたいな、と思って。それが今の目標ですね。

そうですね。これから立場も環境も変わるし。

そうですね。それが楽しみです。

根っこはやっぱり県内観光なんですね。

そうです、もちろん。どうしても、県内で楽しんで頂きたい。魅力が沢山あるので、これを発信していきたい思いは、一番の芯で置いておきたいんですよ。私が居るところ…「寿美礼」にしてもここ「みもすそ川公園」にしても、”ここ”から県内発信をしていきたいと思っているので。私が居るところでは、常にそういうことをしていきたいな、と思っています。