関係性の先にあるものをつくる | 福岡 佐知子

佐藤さん (福岡さんを指して)山口出身なんですよ。

福岡さん 出身じゃないですよ。嘘をつかないで(笑)

佐藤さん あ、山口の大学出身なんです。

山口の大学…どちらですか?

福岡さん 山口大学の人文学部です。

あ、そうですか。私は経済学部卒なんです。

福岡さん そうなんですか。同い歳ぐらいですよね?じゃあ同じキャンパスに居たかも知れませんね。経済学部とか、結構合コンする感じですよね。

そうそう(笑) 合コンサークルとかに入る感じです。合コンの合間にテニスする…みたいな。大学では、どういうことを勉強されていたんですか?

福岡さん 専門は「美学・美術史」。美術系なんですけど、自分の好きな絵画だったり、土器をやっている人も居ましたし、お茶とか…自分が「美」を感じるもの、「美学」というのは哲学の一種なので、そんな感じのことを勉強していたような気がします。

美を感じる…いいですね。

福岡さん だから、鬼のお面を研究している人も居ました。だから、鬼のお面に「美」を感じていたんでしょうね。

何でもありですね。「このコップ美しい」とかでもいいわけでしょう?

福岡さん そうですそうです。何でもありで自由でした。教授はカメハメハ大王みたいで、雨が降ったら来ないんですよ。自転車で通っていたんですけど。だから、すごく自由な研究室で。その後、秋吉台国際芸術村で3年間働いていました。

あら、そうなんですか。学生の頃から、美術系の職に就きたいと思っていらっしゃったんですか?

福岡さん そうですね。不況だったので。ちょうど就職難の世代ですよね?

そうですね。

福岡さん 文系の大学を出て、何になるの?っていうぐらいの。

調子の悪い時期でしたよね。

福岡さん そう、悪かったんです。なので、結局就職しなくて。「好きなことをしよう」と思ってしまいました(笑)

開き直ったんですね(笑)

福岡さん そう(笑) だって、研究室に10人ぐらい居て、ほぼアコムとかレイクとか…あの頃、消費者金融がすごく多くて。

あとは保険会社とか。

福岡さん そうそう。

そういう職に就くぐらいなら、好きなことをしよう…と。それで、秋吉台で3年お勤めになって…

福岡さん こちらに帰って来たいな、というのもあったし…元々、演劇の仕事がしたかったんです。その頃、北九州芸術劇場が出来て3年目ぐらいで、ちょうど声を掛けてくれる人も居たので、じゃあ行こうかな…と思って、帰ってきた感じです。

じゃあ、その芸術劇場でお仕事をされるようになったんですか?

福岡さん そうですね。

佐藤さん 何年居たんでしたっけ?

福岡さん 6年。

6年。結構長くいらっしゃったんですね。

福岡さん そうですね。一回りしましたね。だいたい5年が1クールなので。そこからどうする?みたいな感じなんです。

5年1クールなんですか。契約体系は美術系のお仕事と一緒なんですね。

福岡さん 一緒ですね。色々なところへ行って、色々な人に会って…という業種なので。ひとつところに居ても、人もあまり変わらないし、常に新しいものを求めていかないといけないじゃないですか。

そこに6年。