感じていることを掘り下げる | 佐藤 理絵

例えば、定職に就くとか、そういうものに対する疑問などは、昔から持っているものなんですか?

うーん…他に何か常にやりたいことや興味があることがあるので…「怠けている」んだと思います。

怠けている?(笑)

ちゃんと仕事をするとか、責任を持つということを、ちょっと怠けているんだと思います。あまり良くないですねこの表現(笑)

いいんじゃないですか(笑) そうしなくて済むような道を歩んでいる、というような感じですか?

そうしなくて済む、というのは…。疑問みたいなものはあったかなあ…。「自分に出来ることはなんだろう?」って考えて、10年ぐらい経っている感じです。

履歴書がいっぱいになったし、書く幅も無いし、というのが今です(笑) 好きなことに一生懸命で、それを仕事にするということが…なかったので、怠けているんでしょうね。ただ、縁には恵まれていると思います。

今やっているお仕事は、全部楽しいことですか?

全部楽しいことです。話をするとか、問題解決とか…そうですね、”私が居ないと成り立たない”みたいなことで自分の存在価値があればいいと思うので、自分の目標を達成するためにがむしゃらに…というよりは、誰かと何かを繋げられる人になればいいな、と思います。

広告もそうだと思うんですけど、今まで見えなかった視点を提供出来るとか、その人の新しい幅を広げるとか、お店の新しいきっかけを作る…(ポンと手を叩いて)”きっかけづくり”が好きなんです、きっと。曖昧なんですよ、私が使う表現って(笑)

”特別であること”には、こだわりがあるような気がしますね。今ない価値を生むとか、新しい発見をするとか。あとは、情報を発信する…メールでのやりとりや、司会をしていらっしゃる動画を拝見した印象では、表舞台に出たくて仕方がないというタイプではないな、と思って。「出たいけど、出たくない」みたいなところがあるのかな?と。

そんな感じです。自分が何かを成し遂げて自分の名を残そう、とかは全然思ってないです。ただ「何か出来ることはあるだろうな」とは思うし、それがちょっと違う特別なことだと…「キラリと光る」という言葉をよく使うんですけど、キラリと光るモノとか、キラリと光る場所とか、キラリと光る人、みたいなことには敏感でいたいなと思います。

それが沢山の方に認知されたり、沢山の方に評価されたりするものを見つけ出すのではなくて、小さくて良いので、そこにちゃんとその人や場所のファンが居たりというのを、きっかけとして提供できる人にはなりたいなと。媒介になりたいみたいな。人と人とを繋ぐ、だったり、まったく何でもない日常をキレイに切り取るとか、商売的ではなくて。そういうところに、自分の価値観を持っていたいなと思います。

でも、目立つのは”求められるなら”という感じです。それが役に立つ場面とか、そこで意外に活かされる素質みたいなものがあると皆が言ってくれるので、それは活かしたいなとは思います。でも、芸能リポーターになりたいわけでも、有名パーソナリティになりたいわけでもなくて、フラフラしてるんです(笑)

フラフラしてるんですね(笑)

でも、得意なことってないですか?仕事じゃなくても。

ありますね。

そういうことが、自分の生きることが、仕事になったらいいと思いません?

「何屋さん」とか「何師」みたいな仕事じゃなくても、ちょっと絵を描くのが上手だったり、お喋りが上手だったり、というようなことが仕事に繋がれば、そういうものが沢山あればいいな、という感じでしょうか。

そうですね。ひとつのところから沢山お金を得る、というのも勿論いいと思うし、そういうのとは別の働き方もあるんじゃなかな?と思ってます。なので、今お金を頂いてお仕事をしているというのが、入り口として4つぐらいあるので、それは特殊なのかなと思います。営業マンをしてみたり、公開生放送で喋ってみたり、地域のためのボランティア活動をしてみたり、特殊なのかな?と思います。居ないですよね、あまりこういう人。

そうですね。だから、目指すべき人が居ない、というところに繋がるのかな。

あ、若い頃は目指す人が居て、そこへ向かってがむしゃらに、ということが出来たんですけど、色々な経験を経て、今は”目指すべき人”とかではなくて、自分で自分の経験値と、自分のこれからの実になっていくもので仕事をしたいと思っているので、”自分であること”みたいなことを、少し認められるようになったのかも知れないですね。

以前は対象や目的がないと進めなかったのが、今は「自分が自分であることで何か出来るんじゃないか?」と思うし、そういう人が沢山居ると”豊か”だなと思います。価値観が豊かだなと。決められていないとか、新しく何かを始めるとか。

その変化は、割と前向きな転換なんですね。

はい。外向きには「履歴書がなくなったんで…」とか「派遣ばっかりやっていたので、とっさの対応とかは得意ですけど、事務的なことは出来ません」とか、マイナス要素は言うようにしていますけど、自分の中ではプラスの方向で考えてはいます。けど、あまりそういうことは言いません(笑) 言わないでも、その人の人となりを見ると分かる人は分かるし、という。

初めて会って「こんにちは」と言えるかどうかとか、そういうところで人となりを見るようにしているので、経歴とか立場じゃないところに魅力を感じるというか。それは絶対的にあったほうがいいし、そこに憧れる人も勿論居るだろうし、というのもあるんですけど。自らプレイヤーになるというよりは、実はプレイヤーだった…みたいなほうに、キラリとしたものを感じる。

ほおー。そこはちょっと面白いですね。

そういうのが合っていると思います。なので、社長になるより、中間を取る人とか。独立…独立はちょっと違いますよね。個人で仕事をしていきたいというのはあるので。とか言って、来年ぐらいに就職しているかも知れない。普通に(笑)

(笑)

だから「女性起業家を目指します」とも言わないし「こういう社会問題があるので、地域活性が必要です」とも言わずに、出来ることをひとつずつやることで…っていう、なんかありませんか?そういうの(笑) そういうのですね。