手に人生が出る | 千々松 葉子

先にボランタリーな気持ちで取り組んだことが、後々お仕事として返ってきている。

本当にそんな感じです。

そこには戦略的なことは全然なくて?

はい。知っていたら、最初から大手ブログサービスのほうを勉強したほうがいいじゃないですか。そっちのほうが詳しいマニュアルもあるし事例もたくさん出てくるから。普通の解説というのは、結構間を端折ってあるんですよね。例えば長く活動されている団体で、活動は素晴らしいんだけど、ITに関してはちょっと…という人などは、行間が読み取れなくて止まってします。そこを丁寧に…普通だったら3枚ぐらいで十分な画面を、9枚ぐらい使って詳しく解説しています。

そこは、お客さまのニーズを先に汲み取って、どんなものを提供したら喜んでもらえるだろうか?というような姿勢で取り組んでいらっしゃるように感じますね。

そうですね。やっぱり、どうしたらお客さまにとって役立つかな?というのが先、ですよね。

会社員時代も、そういう感覚でお仕事をされていましたか?

そうですね。そこがないと…提案するというのは、そこに何かしら喜んでもらえる要素がないと、競合に負けてしまいますよね。価格以外の付加価値って、要るじゃないですか。

システムの仕事って、相手の業務への理解がすごく大事なんです。最初は分からなかったので、失敗もしているんですけど(笑) 5年間で、企業とは違うNPOへの理解が深まってきました。

NPOの情報発信は、会員になってもらうとか参加してもらうとか、何かしらのゴールがありますよね。私は企業の販促系のサイトをあまり作ったことがないんです。もともとシステム屋なので、プログラムを動かして業務プロセスを簡略化したり、共通化したり、単純化したり、といったことが得意だったので、販促系の知識が不足しているんです。

情報発信・データベースの活用というのはNPOさんに提供できる私のスキルです。加えて、寄付や資金調達のために販促系のスキルを提供したいから、今は準認定ファンドレイザーを目指して勉強中です。先週は受験資格を得るための必須研修を受けに福岡へ行ってきました、自腹で(笑) でも、「これは団体さんにとって役に立つ」と思って取り組んできたことは、今まで活きてきたので、これもそのうち活きるだろうと思っています。

先行投資だ…と。

自分やこどもたちが暮らしやすい社会になるために、NPO法人さんが活動してくれているので、そちらのほうでは確実に返ってくるんですけど…自分の収入として返ってくるかは、未知数ですね(笑) でも、お付き合いを続けていくうちに、「自分のこういうところが活かせるんだ」という発見が面白いです。なので、労働と趣味の境界がすごく曖昧で、ちょっとやり過ぎじゃない?「私の時給、幾ら?」みたいに考えることもあります。

そこはでも、面白いからやってしまう(笑)

でも、面白くなかったらフリーランスなんて出来ないですよね?

そうですね。自分で仕事を選べるところが、フリーランスの良いところですね。

そうなんです。フリーランスって、自分が選べるからわがままになりませんか?会社員なら、どんなに嫌な同僚・お客さまが居ても「NO」って言えないけど、「NO」って言えてしまう部分、すごくわがままになっているかも…

私も無理かも知れません(笑) ただ、会社勤めをしていると固定収入があるから、ボランタリーな活動にも没頭できると思うんですけど、フリーランスだとそれでは続かないですよね。私は昨年ボランタリーな活動の割合が多かったので、今年はちゃんと仕事をしよう…と、心を入れ替えました(笑)

こどもと過ごす時間がボランタリーな活動のために減っているかも知れない…のはよくないなと思って、最近は何にどれだけ時間を費やしたか意識するようにしています。私も、特に去年と一昨年はやり過ぎたので…活動自体はすごく身にはなって、知識も付いて、勉強にはなったんですけど…結果として収入は厳しかったですね(笑)反省して、このぐらいの時間までだな…というのを決めようと。でも、ついついはまってしまいますよね、楽しいから(笑)