自分の気持ちで選ばない | 林 里江

今こだわっていらっしゃることや、提示しようとされている価値観が、非常に女性的なので、そこが男性の私には掴みづらいところなのかも知れませんね。

そうなのかな。一度エステを受けられたらいいと思いますよ(笑) 男性も気持ち良いと思いますよ。触られている安心感とか、人肌に癒される感じとか…”手当て”っていうぐらいですから、手にはすごい力があると思うんですけど、それを通じて言葉だけじゃないコミュニケーションがとれるんですよね。それの何ともいえない幸福感。それにプラスして、女性は綺麗になるから。

そうか、言葉にしにくい魅力があるのかな、そこが大きいんでしょうね。

そうですね。「エステを受ける」「化粧品を買う」と言ったら、それだけのことという感じですけど、全部が繋がっていて…エステをしてもらって、触られて、肩がほぐされて気持ちよくて、肌が綺麗になって、家でお手入れをするから綺麗が持続出来て、褒められて嬉しくって、嫌なことがあっても頑張れて…という、生活が心地よく回ってくるという、”美”にはそういう力があると思うんですよ。

だったら、顔だけ綺麗だったら良いか?というと、やっぱり年々外から与えるだけでは足らなくなったりするので、体の中からのこともお話できるようになれば、またいろいろなご提案もできるし…という風に、全部がひと繋がりなんですよ。と、この仕事を始めて思いました。…上手に喋れなくてすみません(笑)

いえいえ(笑)

ただ、その方の生活のリズムや環境によって、費やせる時間やお金や労力は変わってくるので、いろいろなライフスタイルの方にご提案出来るようなサロンでありたいな、と思っています。いつからでも「綺麗になりたい」という気持ちがあれば十分だと思うので、ささやかでもいろいろなご提案が出来ればいいな、と思っています。

やっぱり人は心で繋がると思うから、綺麗になるためのエステや商品を介して、心のやり取りが出来るのが、この仕事のすごく良いところだと思います。自分もすごく成長するんですよ…している気がします。

ちょっと訊いてみたいことがあって…たとえば10年後、こういうサロンになっていたらいいな…というイメージはありますか?

やっぱり、規模は大きくなっていたいですね。仲間ももっと増えて。もちろん、たくさんのお客さまに来て頂いて、綺麗になって頂きたい、癒されて頂きたい…というのもあるんですけど、ここで働いている人たちが、活き活きと働ける場所にしたい、というのがもしかしたら一番の思いかも知れない。

活き活きと働けるように。

一生。結婚しても、子供が生まれても。お客さまに関して言えば、結婚しても、子供が生まれても、通い続けられるサロンになりたいな。やっぱり、女性の人生のリズムって変わりやすいから、それになるべく寄り添えるような…独身からおばあちゃんまで。今独身のお客さまが、子供を生んでも通い続けられるような場所に、10年後にはなっていたいな、と。

例えば、出来るかどうかは分からないけれど、キッズルームを作るとか…お母さんがエステをしている間に、お子さまを見られるようなスペースを作れば、1時間でも2時間でも、妻でもない母でもないただの自分、という時間が取れる。それだけでも、すごく息抜きになると思うんですよね。

そういう時間ってなかなか取れないと思うんです。家で暇な時間があったとしても、何か雑念が入るとかあると思うんですけど、ここに来たらリラックスして素の自分で寝ていてください、と。そういう時間が作れる場所にしたいです。

そして、いつまでも綺麗でいる気持ちを忘れないことで、女性は元気で居られると思うので、そういうサロンになってたらいいな…と思います。今はなかなかお子様連れで来れる環境ではないので。

綺麗になることに、すごくお金を費やさないといけないとか、すごく特別なことをしないといけないとか、そういう訳ではないということを、もっとたくさんの方に感じて頂けたら…身近に取り入れて頂けるようなサロンになりたいな、と思います。…ビルとか建っているといいんですけどね(笑)

ビルですか。そこは割とでっかくいくんですね(笑)

でっかいですよ、夢は。死ぬまでやりたいと思っていますから。死ぬまでに少しでも夢を形にできていたらいいな、と思いますね。

夢はでっかいけど、欲のようなものは感じないですね。

欲ありますよ(笑) ありますけど、やっぱり意味や必要性をちゃんと納得頂いたうえで選んで頂きたい、という思いがあるので。「結果は付いてくる」じゃないですけど、みんなで元気に綺麗に、おばあちゃんまで活き活き頑張ろうと、そういう気持ちの人が集まってくれたら、自分も嬉しいし、そういう人が増えてくれたほうが、みんな元気になるんじゃないかな、と。

その手段として、うちのエステや商品を選んでくれたら、これ以上の幸せなことはないので、最高のサービスや商品をご提供できるように、日々の勉強や技術を磨くということを、スタッフ一同一生懸命やっています。

成長意欲のようなものは強いけど、私利私欲はあまり感じないですね。

結果そうなれば、という感じですね。ある程度の数字は意識して動いていますけど。スタッフに関してもそうですけど、ある一定の収入がないと…仕事としてのやりがいのなかに収入というものも含まれると思うので。で、頑張っただけ収入が得られる仕事でもあるんですよ。

成果報酬なんですね。

やったらやった分だけ。マイナスはないけど、やらなければゼロ。だから、どれだけ愛情を持って、やりがいを感じて出来るか?がモチベーション。それでも下がるので、月に1回、2回はミーティングをして、目標確認とか、モチベーションをあげるとか、まめにやっていますけど…

バランスですね、やっぱり。慈善事業でも面白くないし、自分のことだけ考えていてもダメですから、お客さまも自分もハッピーになれるように、愛情を持ってどれだけ出来るか、という。なので、みんなと励ましあいながら頑張っています。仕事をしていくうえでの辛いところとか、ぶつかる壁とか、そういうものを共有も出来るし。

心が折れそうになときに、自分を支えてくれるものを、日々みんなで培っている、という感じです。心が折れそうなとき、日々頑張ってきたことが自分を救ってくれるから。

美しく生きるうえで、こだわっていらっしゃることを教えてください。習慣でも、考え方でも結構です。

習慣…毎日飲むとか?(笑)

(笑) お酒好きなんですか?

好きですね。毎日飲みます、欠かさず。休肝日ゼロです。

量はどれぐらいですか?

量はでも、発泡酒500mlを1本とかですね。

あまり深酒はしないんですね。

しないです(笑) あとは本を読んだりとか…あ、毎年年末にその一年の反省と、年始にその年の目標を必ず決めるんですよ。そのなかには「体重は何キロで保つ」とか「毎日腹筋する」とか、そういう細かい目標を箇条書きにして書いてます。以前から書いていたんですけど、この仕事をやるようになってからは、かなり具体的に書くようになりました。

年の初めに目標を箇条書きにして書いて、一年の締めくくりに…

それを見て、どれだけ出来たか出来なかったか、大晦日に反省するんです…飲みながら。

飲みながら(笑) それは出来た/出来なかったで、何か変わったりするんですか?

特に変わらないです。気をつけているのは、新しい年に必ずひとつは新しくチャレンジすることを増やすんです。去年は日本エステティック協会の資格を取ったんです。今年も新しいことを幾つか増やして、それがかたちになればいいな、と。

それと、やむを得ず出来なかったことってあるじゃないですか。その思うように行かなかった理由が、頑張ったけどダメだったということなら翌年に持ち越せるんですけど、「やりたくない」とか「やる気が湧かなかった」とか、自分のモチベーションの問題で出来なかった…ということがないように気をつけています。

そういう理由で出来なかったことはないので、「よし」としています。自分のモチベーションによって左右されるというのが嫌なので…スタッフとも、「モチベーションが下がっても、動きは一定していないと」というのはよく話しています。私自身そこを気をつけています。

だから、常に新しいことを勉強中です。常に新しいことを、ささやかでもいいので。