やりたいことをしたい | 古野 智美

通常は一般歯科と矯正歯科というのは別々なんですか?

別々のところが多いですね。一般歯科・矯正歯科と看板を挙げていても、矯正専門の先生とかが、矯正の日だけに病院に来て…というスタイルをもっているところが多いのが現状です。一般の先生も居て、外科の先生もいて矯正の先生もいる、各々がひとつの病院で別のことをしている歯科医院は、結構珍しいと思うんです。

それぞれの得意分野を合致させて、色々な面からアプローチできるので、患者さんにとってはすごくメリットのある体系を作れているな、と思っています。

古野さんご自身は、一般歯科の先生と一緒にお仕事をされたいと。

そうですね。どうしても矯正治療だけだと、簡単に言うと虫歯が出来てしまったり、歯を抜かなければいけないのにわざわざ他の病院に行ってもらったり…ということもありますし。いまこの矯正治療と同時進行にしたら、とても良い結果が出るのに…というのを、行ったり来たりして結果すごく長い期間が掛かってしまったり、治療の結果も80点ぐらいで終わってしまったり、ということもあるので。

同時進行できるという一番のメリットを活かしていきたいと考えていたので、最初から一般歯科の診療をしつつ矯正治療を勉強しました。

で、2002年にこちらの医院を開業されますが、それは院長さんからお声掛けがあって?

いえいえ、もうその前に結婚していましたので。それで一緒にさせて頂くことになりました。

そうなんですね。では鹿児島~福岡でお仕事をされていた頃から。

そうですね、大学の同級生なんですよ、実は。勤めていたところは別なんですけどね。院長は卒業直後から、インプラントやそういった系統をしていきたいということだったので、外科治療を得意とする歯科医院に勤めましたし、私は直後から矯正ができる歯科医院に努めたかったので、勤務先は全部別々でした。

開業されてから、今年が11年目になりますね。

もうそれぐらいになりますね。

この10年はどんな10年でしたか?

10年ですか。まず、開業した当時の歯科界の技術と、今の歯科界の技術は、まったく違うんです。インプラントにしてもそうですし、矯正にしてもそうです。

矯正の分野で言いますと、開業した当時は、目立たないような矯正治療というのが、ちらほら知られ始めた時期でした。マウスピース矯正というのも、一応日本に入ってきてはいるけれどそんなに精度の高いとはいえませんでした。、うちもまだシステムとしては取り入れていませんでした。

(今は)その唇側矯正は当たり前、なるべく目立たないように…という治療を、患者さん自身が求めて来院いただくようにようになってきています。その結果、マウスピース矯正も昔と違ってずいぶん精度の高いものになってきました。

さらに今度はスピード矯正という分野が台等してきています。矯正治療ってどうしても2年3年って掛かります、それをなるべく短期間で治療を終える方法というのが出てきたんです。どんどん患者さんの希望に応えられるように、クオリティ・オブ・ライフを下げないように、治療方法も進化してきているんです。というか…そっちがスタンダードになってきているな、と思いますね。

もちろんインプラントも同じです。なるべく手術時間を短く、術後の腫れも少なく、費用を抑えて…が求められてれています。

治療するんだったら、多少辛いことは我慢しなくちゃいけない、という時代からは脱しつつあるなと思います。いかに気持ちよく、負担少なく治療を受けて頂くかが求められているところが、開業した当初と今と比べて、歯科界が随分と進歩した証拠だな、と感じますね。

歯科界の技術が進歩したことによって、提供出来ることのクオリティも上がってきたと。

そうですね。もちろん上がらないといけませんし、内容も随分変わってきていますね。