皮脳同根 | 神原 光未

そうですよね。

先生にもよく言われるんですけど「100人卒業したとして、アートメイクのお仕事が出来るのは2~3人だ」って。何も無いところに眉を描くのは簡単ですけど、人の顔は凹凸がありますし、生身の人間なので…多くの人は「怖い」とか「出来ない」とか…あとは営業力も必要となるので…「かなりのカリスマ性がないと無理」と、先生はよく言われます(笑) 「この人みたいになりたい」とか、先生から綺麗になる自分がイメージ出来なければダメなので、身なりはきちっとしておきなさいよ、と言われますね。

神原さんがアートメイクを習った先生も、お綺麗な方なんですか?

綺麗な方ですよ。会うとよく美容談義が始まりますね(笑) 女性はずっと「美肌」「ダイエット」「若返り」のトータルビューティーで、どこも妥協したらダメ。ビューティーリーダーと言われるように、気を引き締めて。そして、心が穏やかでないと。やっぱり顔にも出るし、態度にも出るし。

イライラしそうなときってありますか?

やっぱり女性なので、一ヶ月の間でも調子が良いときと、リラックスできなくてイライラするときもあるし。まあでも、朝は神棚を拝んで心を集中させて、手を合わせることで精神統一します。月に一回は1日参りですね。近くの神社をお参りします。大したことではないんですけど、「見守られている」というか、そういう気持ちになると、不安というものがなくなりますね。精神世界に生きていますから(笑)

「会うと喧嘩するな」とか「この人には会わないほうがいいな」とか、そういう「右か左か」というセンサーが働くので、行ってはいけない道は、回避することが出来るんです。

なるほど、ストレスの元を避けることが出来るんですね。

そうそう、わざわざそこに入らない。これもやっぱりアルファ波みたいなんですよ。運が良い人はそっちを選ぶ、と。それもやっぱり導かれているんでしょうけど。私がいつも言っているのは「慈しみの心」ですね。肉は食べない。鳴く動物は食べない。鳥も、豚も、牛も、馬も。それでお肌の調子も保っていると思います。お豆中心です。お豆腐とか、ソイミートとか。

あとは、一日一食です。食べると仕事にならないので、仕事が終わった夕方に食べます。朝は豆乳に酵素を入れて飲んでますね。で、夜寝るときに寝れなかったら、アミノ酸を飲むとストーンと寝られますね。スコアが100のアミノ酸があるんですよ。これを飲むと、お肌が隆起していいんですよね。どうでもお腹が空いたら、それを飲むようにしています。21時以降は食べないように気をつけています。食べ過ぎ、酵素の無駄遣いが、老化の元だと思っています。限られた酵素しかないですからね、人間には。

なるほど、お肌のことだけでなく、脳も、食べ物も、あらゆることに気を付けていらっしゃるんですね。

そこまでしないと、この仕事はちょっと難しいですね。

そこまで極めようとすると、確かに100人のうち2~3人…になりますね。

そうですね、やっぱり一回でもミスをすると、難しいんじゃないでしょうか。まあ、甘えてるわけでは決してないんですけど、私たちは協会に所属しているので、守られているという感じはありますね。学校法人で、国はこのアートメイクのスクールを許可していますし、NPO法人もありますし。国が許可しない限りは存在しないんですよ。

ただ、まだ「合法」と言われるのは仕方がないですよね。国家試験がないんですよ。全部国際ライセンスになるので、なかなか日本では受け入れられないですね。未だに「入墨」と言われたり、まだまだ難しいんですけど。でも、私は病気で眉が無くなったとか、抗癌剤で睫毛も無いような方がサロンに来て、笑顔になって帰られるのを見て、この仕事は本当に素晴らしい仕事だと、誇りを持っているので。

この前も、ウィッグを被ったとても可愛い女の子が、お母さんと一緒に来たんです。施術を終えて、ある日その子を温泉で見かけたときに、ウィッグの前髪をゴムでキュッと結んで、嬉しそうにおでこ全開にして、まゆも見せて。お母さんもすごく嬉しそうで。それを見て「あ、良かった。眉をちゃんと出してる。」と思って。そんな普段の生活に触れたときに、他の人と同じように生活しているのが見られて、嬉しかったですね。少しでも、その人のコンプレックスが無くなればいいな、と思います。

[写真・文/OURSELVES 取材協力/bistro & Cafe BRILLIANT]