皮脳同根 | 神原 光未

突然ですか(笑)

施術は保証付きで、三回です。基本デザインの変更はできませんが、「もうちょっと太く、長く、濃くしたいと思ったらまた来てくださいね」と言うんですけど、綺麗になった自分を見てもらいたいからと、わざわざ見せに来てくれたり…そういうのはすごく嬉しいですね。一回限りのお付き合いじゃなくて、ずっと続いていくというのが。大切にしないといけないな、と思います。特に、年配の人がすごく良くしてくださいます。エステに月一度来られる方もいらっしゃいます。

へえー。

私も雨が降った日や、帰り道のことが心配なので、最近は送り迎えをしているんですけど、もう元気です。それはもう綺麗な方です。踊りもされるし、夕方は一時間ウォーキングされるし、背筋もピンとしていて…格好良いですよね。私もそうなりたいなと。ちょっとしたエクササイズの出来るジムにも通い始められたし。私も昔はスカッシュとかエアロビクスとかやっていましたけど、今はなかなか…

お仕事を優先されて?

それもありますし、今は1歳の孫が手が掛かるので。

お孫さんがいらっしゃるんですか?

ええ。来年一年生と、1歳と。

大きいですね!

娘が29歳なので、まあ居てもおかしくないですよね。息子は大学生で…(しばらく息子さんの話が続く)…もう、右から左にお金が出ると思ってますからね(笑) どれだけお母さんが神経をすり減らして仕事をしているか…

(笑) まあ、自分で稼ぐようにならないと分からないでしょうね。

特にアイラインには、魂を入れます。人形師が人形に目を入れるように、そのぐらい息を止めてしますね。気が抜けないところなので。皮膚から目の間には、かなり距離があるんですけど、実際に施術するのは0.2ミリから0.5ミリ、1ミリも無いんですよ。表皮の本当に薄皮に、手で探りながら入れていくので、ちょっとコンディションが悪かったらダメですよ。無にならないと出来ないですよね。

やり直しがきなかいところですので、そこを本当に気をつけて、クレームにならないように。満足のいくお仕事をさせて頂くためには、やっぱり自分のコンディションをいつも整えていくと。

これから将来的に、こういうことにチャレンジしていきたいとか、こういう風になっていったらいいな、というビジョンはありますか?

うーん、よく「育ててください」とは言われるんですけど…

後継者、ですか?

ええ。

そういう方がいらっしゃる?

まあ、娘が美容師なので…出来れば娘に教えていきたいなと思いますね。

お嬢さんは興味を持っていらっしゃる。

ええ。もし娘と婿さんが将来お店を出すことになったら、そこでコラボして、少し大きく展開できたらいいなと思いますね。

それは素敵ですね。

で、その中でうちの母も、美容の仕事に携わりたいという気持ちが、まだあるかも知れないので、また現場に立たせてあげたいな、と思いますね。

親子三代で。

まあ、でも歳ですから、あまり大した仕事は出来ないと思いますけど。今はウィッグを作る仕事をしてるんですよ。

今もやっていらっしゃるんですか?

やってますよ。ウィッグだったら、座って仕事が出来るので。お客さまから預ったウィッグを洗ったり、セットしたりするという。ずっと美容の仕事をしているので、母みたいに生涯現役でこの仕事が出来たらいいな、と思いますね。なかなか、誰にでも出来る仕事ではないと思っているので。