人との繋がり、支え合い | 森田 晶子

もう次(13回目)のことは考えていらっしゃいますか?

13回目も、今回同様です(笑) 木工体験と、音楽体験と、雑貨と、飲食と。

いまのイベントの形態だと、ご自身は雑貨を作って売っていらっしゃいますけど、全体で見ると雑貨という括りからは一歩抜け出てますよね。それも理想とするところなんですか?

そうですね。雑貨は、見たら終わるんですよ。で、お母さんは雑貨を見たくても、お子さんは早く帰りたいんですよ。ご主人もつまらないんですよ。その、特に山口県の東部のイベントに行くと、同じ雑貨と飲食のイベントでも、お父さんが一緒に来て、一緒に見て回っている、という割合がすごく高くて。でも下関のイベントだと、お父さん比率が低いんですよね。お父さんは別行動で、車で待ってる…とか。

だから、お父さんも来たら一緒にご飯が食べられるよ、とか。家族がほんわかと過ごすような空間を作れる演出は欲しいな、と思って。実際、音楽とかはお父さんが参加していたりするので、まあいろんな人を巻き込んで、家族で楽しく過ごせるような、理想系のイベントにはなってきたんじゃないかな?とは思うんですけど。

家族が楽しめるような空間を提供したい…

家族というか…みんなが。

来ている全員が楽しめるような。

そう。楽しめるような。やっぱり「つまらない」と言っている人が、その空間に居ることは、やるほう側も楽しくないし。みんなが何かしら満足してくれて、「楽しかったです」と言ってくれるのが、一番「次も頑張ろう!」という励みになるので。だから、なるべくみんなが楽しめる空間作りを考えていますね。

イベントはそういう理想のかたちに近づいていて、お店はビビッとくる処があれば、もうちょっと落ち着いた場所でお茶でも飲みながら…と。

そうですね。

その他に、やってみたいことや「こうあったらいいな」と思うことはありますか?

うーん…子供が大きくなったら、子供も「モノを作ることが楽しい」と思える人間になって欲しいなと思いますね。今もまあ工作は楽しんでるんですけど、息子は「家を建てたいから大工になりたい」とか、娘も「みんなに美味しいと言ってもらいたいからアイスクリーム屋さんになりたい」とか言っているんですけど、そのやりたい思いがずっと続いて、やってくれたらいいなと思います。

モノを作る楽しみを持ち続けて欲しい。その対象は何でもいいんですか?

うん、何でもいいです。自己満足でも何でもいいので。やっぱり、楽しいと思えることがひとつでもないと、人生がつまらなくなりそう。

楽しいと思うことは、例えばスポーツとかよりは、ものづくりのほうがいいんですか?

うーん、スポーツでもいいんですけど、私がスポーツ苦手だし、子供もスポーツ苦手だし(笑) スポーツは苦痛なので、ものづくりに逃げているのかな(笑)

(笑) でも自分がより楽しさが理解できるもののほうがいいですね。

そうですね、共有するには。同じ価値観が一番大事な気がしますね。まあ、スポーツ万能ならそれでもいいんですけど(笑)

いまお仕事やイベントを続けていらっしゃるなかで、一番大事にしているものは何ですか?

「人との繋がり」ですかね。

そこをもうちょっと詳しく聞かせてもらえますか?

やっぱり、人間は自分一人では生きていけないとよく言いますけど…あ、そう、この前Facebookのコメントにも書いたんですけど、人が嬉しいと感じる脳内物質が出る時は、自分が自分に嬉しいと感じることをするより、自分がしたことで相手が嬉しい顔をするのを見たときなんだそうです。そんな人のためにやって自分が楽しくないなんて…と初めは思っていたんですけど、イベントとかお店をやっていくうちに、だんだん自分のことは二の次になって、いかに来てくれた人が楽しめるか、協力してくれる人が楽しめるか、そういうことに重点を置くようになって、気が付いたら自分のことは後回しになっていたんです。

でも、沢山の人を喜ばせるためには、自分一人の力というのは限られているので、私の周りにもっと沢山の人が居ないと。私を助けてくれる人も必要だし、逆に私を助けてくれることで私は嬉しい顔をするので、その周りの人もきっと嬉しいんだろうし。そういう”支え合い”みたいなものは、とても重要だなと思いますね。

そういう喜びがあるから、イベントの準備とか大変なことも…

一瞬で忘れますね。単細胞だし(笑)

(笑)

そりゃやっぱり、人間だからイラっと来ることを言われたりもしますし、イラっとすることが起きることもあるんですけど、それが相殺できるほどの楽しいことが山のようにあるので。だから続けていけるんだろうな、と思います。

一人の力って、本当に小さいですもんね。

小さいですね。つくづく思います。

写真・文/OURSELVES 取材協力/ざっかや。