感じていることを掘り下げる | 佐藤 理絵

27歳ぐらいまでは、ダンスという軸があった。

23歳ぐらいまでは、ダンスがメインと思っていたので、ダンスをしながら働けるところを。仕事にやりがいというよりは、趣味に生きがいを感じていたので。23歳ぐらいから、ちょっとこのままではまずいかな…と思い始め、かといって就職するわけでもなく、色々な仕事を経験値として持っていって、今…という感じです。

で、履歴書がいっぱいになったので、縁もあるので、今一緒に仕事をしている人と独立したいな、という。社会経験があまりないけど「独立したい」と言っている、ちょっとズレた人だと思います(笑)

独立されたのはいつですか?

今は独立というほどでもないんですよ。一昨年に、ご縁があって地域活性に携わるようになって、その会社が倒産したことをきっかけに、ご縁から別のお仕事を頂いて、ご縁でラジオもやっている、という。全部ご縁です。縁に恵まれているんです私(笑)

地域活性のようなものを、強く志して始めたわけではない。

本当に「縁」で。友人の紹介で知り合った方から「地域で事業を立ち上げたい」という話があって。キャラクターだけで「君いいね。やってみないですか?」ということになって、マネージャーという役割をいただいて。

何かしら自分だけにしか出来ない仕事が欲しい、とは思っていたので、そのきっかけになればいいと思って始めたんですが、1年半前にポシャったので、そのときに関わった方々と、実際に地域の事などを考え出して、今の仕事に携わっている、という感じです。拾いにくい情報ですよね(笑)

今はその方々とチームでやっているんですか?

そうです。(倒産した会社の)経営者の方が、色々な経験値を持った人を集めてひとつの会社にしようとしていて。で、その人が居なくなって、今までまったく仕事もしたことがないようなメンバーが残ったんです。アルバイトで入っていたスタッフの子たちは、若かったのでそれぞれ別の道を選んで。ただ、メンバーの中に三人ほど「自分の仕事を作っていきたい」と思っていた人が居て、地域に関することはその三人で関わっています。

当面は「起業したい」という思いがあって、そこに向かって今また経験値を貯めている、という感じでしょうか。

そうですそうです。貯めすぎですね(笑)

(笑) 今携わっている仕事について教えて頂けますか?

今は情報誌とWEBサービスの営業が主な仕事です。地域活性に関わる活動で、お金を頂いているのは、地域の魅力を発掘するツアー事業があって、その補助や企画のお手伝いをしています。お店紹介のようなツアー事業です。と、ボランティアでは地域のマップ作りとか、ラジオとか、です。

ラジオを始められたのも、地域活性の活動のなかの一環なんですか?

そうです。もともとラジオ局の代表の方が、地域活性にすごく携わっている方で、その方とのご縁で。自分たちが発信する人になりたい、という思いはあったので。ラジオとしても、地域の人が活性できる場の提供という考えもあるし、私たちとしても地域にとって…

なんて言うんですかね…北九州の人って、行政の方とか以外は、自分たちの街のことを”自分事”として考えていないとか、もうちょっと豊かな価値観みたいなものがあると思うんですけど、そういったところにあまり気付かず消費的な人が多いので、そういうものを…「変えたい」とかいう思いはないんですけど、自分がこの街で生きていくなかで出来ることを探している、というような感じでしょうか。

そのときにご縁があるというのと、そういった視点を持った人と運よく巡り合わせがあるという。水のように流れて今がある感じです。

プロフィールにも「ジブンゴト」という言葉を使われていましたね。そこはキーワードのひとつなんですね。…うちの地元(山口県宇部市)もそういう(自分たちの街のことを”自分事”として考えない)傾向はありますね。工業都市ならではの空気なんですかね?

そうだと思います、うん。でも、そんなことを考え出したのも、ほんとここ2年ぐらいです。なんでしょうね、何がきっかけなのかしら(笑)

何がきっかけなんでしょうね?

たぶん、全ては「縁」だと思います。タスクをこなしていくことよりは、自分が持っているバランス感覚みたいなもので、色々な人との出会いの中で仕事を作っていくほうが興味がある、というのが今ですよね。

だから、「お店を持っています」とか「こういうものを書いています」とか「こういう仕事の会社に就いています」という具体的なものがないけど、自分が二本足で立てるような仕事を、自分のサイズで持ちたいな、っていう。大きなことも考えていないし。ただ、一生自分で居られるような仕事は欲しいな、と思います。今の仕事じゃないかも知れないですけど、何でもいいと思っています。

そこは内容にはこだわらないと。

そうですね。皆さん、きっと持っているであろう感性とか、視点とか、得意なこととかを、もっと消化的じゃなくて…そこで何か新しいものが生まれるみたいなことを、お金に換えられるような仕事が、もっとあったらいいのにな、とは思っています。

自分が色々派遣とかをしていて、仕事に困るようなことはなかったんで、与えられる仕事とか、決まったこと、やりたいことなんかを、あえて決めなくても生きていけるんじゃないかな、と思っています(笑) だから「何をしているの?」とよく言われます。「忙しそうだね」とも言われます。でも全然忙しくなくて(笑) 「ライフスタイルを仕事に出来ればいい」みたいなことが格好良いと思います。

ライフスタイルを仕事に…

みたいなキーワードが良くないですか?(笑)

誌面的にですか(笑) 生きることが仕事になる、みたいな?

そんなのじゃないですかね。例えば主婦でも、主婦という価値観の中で仕事は作れるだろうし。資格を持ってひとつの仕事をするというのも凄いことだとは思うんですけど、そうじゃないといけないみたいな、工業地帯独特の、大きな会社に入って五時まで働いて評価をもらう、じゃなくてもいいんじゃないかな、という思いはあります。

東京の方とかは、自分の生活を仕事にしていく人や、やりたいことを仕事とは別に持っている人も多いと思うんですけど、あまりこっちは…行政の方が空いた時間にそういう場を持っているとか、あとデザイナーさんとか、ちょっと特殊な人になると思うので。何もないけど何か出来る、みたいなことが出来たら、自分としてはいいかなと思っています。