慎重になり過ぎない | 山城 麻衣
なるほど…。今お仕事をしつつ、演奏もしつつ…という中で、少し先の将来のイメージはありますか?
将来のイメージですか?うーん、ずっと地元だったので、地元で音楽活動をして、地元を活性化したいというか…そこまで広くは出来ないにしても、そういう風に思っていますので…自分で企画して演奏会というのは、毎年出来ることではないと思うんですけど、今より広く音楽が出来ていたらいいな、と思いますし。あとは、うちは弟と妹が居るんですけど…妹はピアノをやっていたんですけど、あまり好きではなくて辞めてしまったので、家族で演奏しているという友達が、すごく羨ましかったんですよ。それは、結構夢ですね。
音楽一家みたいな。
そうですね。まあ、旦那さんはしてなくてもいいんですけど、子供にピアノでも歌でも何でもいいので、そっちの道に進まなくても、一緒に演奏出来るという環境は、夢ですね。
家族で演奏して、それで一体感を感じられたら、いいですね。
そうですよね。歌の子は、3人兄弟で、楽器もやっているから、家で3人で演奏したりとかいうことがあるんですよ。それがすごく羨ましくて。ああ、いいなあーと思って。今は家でひたすら一人で練習しているという状態なので、それが一緒に出来るって、楽しいだろうなーと思いますね。やっぱり、一緒にやるって楽しいですからね。
うんうん。
あとは、出来れば…一杯ありすぎですか?
いやいや、大丈夫ですよ。
一人でリサイタルをしてみたいな、とは思いますね。一時間半ぐらいになりますけど、そのプログラムを自分で組んでやるというのは、相当大変だと思うんですけど。そうしたら、自分一人で企画が出来て、周りの人たちがやっている話を聞いても、楽しいだろうなーと。大変だけど、達成感もあるし、色々な曲をひとつの演奏会の中で弾けて…それはすごく難しいと思うんですけど、やってみたいなとは思います。
なるほど。アンサンブルの楽しさもあるけど、ソロも別の楽しさがあって。
そうですね。やっぱり楽しいですね。
その楽しいことを実現させるためには、難しいことに挑戦することも厭わないですか。
ピアノだと、はい(笑)
そこは熱の入り方が違うんですね。
はい。ピアノの先生になりたいと、ずっと言ってきているので。学生の頃は、あまり周りの人たちって「将来これになりたい」みたいなのってないじゃないですか。でも、私はそれがあったので、大学に行きたいから進学校に行きたいし、絶対ピアノをやるんだ!という思いがあったので…ピアノをやらなかったら、何もないかも知れないです(笑) 今もピアノで繋がっている人たちが多いので。
そのときは、ピアノの先生になりたかったんですね。
そうですね、ざっくりと。演奏だけをして、生活できるという感覚がなかったので、その頃は。ピアノをやっている=ピアノの先生というイメージだったので。ずっと「ピアノの先生になりたい」と思っていました。
なるほど、ピアノを仕事にするなら、ピアノの先生だと。
そうですね。
でも、「ピアノ」と「先生」だったら、主軸は「ピアノ」のほうにあるんですね。
そうですね、まあそうかも知れないですね(笑) まだ自分が演奏したい、という思いが強いかも知れないですね。もうちょっと、10年~20年ぐらい経ったら、ピアノをやっている人たちを育てたい、と思うのかも知れないですけど、今はまだ、自分が弾きたいという思いが強いですね。
弾くのが楽しい。
弾くのが楽しいですね。
ありがとうございます。最後に、ご自分が美しく、気持ちよく生きるために、普段から心掛けていること、譲れないものはありますか?
なんだろうな…ステージに出て華がある人って、外見も惹きつける魅力があるんですよ。芸術をやっていくなら、外見も大事だと思いますので、そこは気をつけてますね。自分のキャパとか、自分に見合ったものが分かっているということは、大事だと思っているので、そこは心掛けてます。
ファッションや髪型とか、そういう部分でも、自分に見合ったものがちゃんと分かっているかどうかというのは、重要かなと思っています。見た目で言うと、そういうところが一番分かりやすいかなと思うんですけど。…自分のキャパをオーバーしたところに、いかないから「真面目な演奏」と言われるのかも知れないですけど(笑)
あーなるほど。自分のキャパを測って、演奏しているところがあるかも知れないと。
そうですかね…うーん。
そういう、自分のキャパを外れてみたいとか、殻を破ってみたい、というような欲求はありますか?
欲求ですか?「成長してみたい」という思いはありますけど…うーん、それよりも自分に見合ったものを考えてしまうと思います。そのうえで、ちょっとずつ成長していければ…とは思うけど。自分の好きなもの、というのがあるので、そこを超えてまで色々なことをやりたいとは思わないですね。
自分の好きなもの、そこには強いこだわりがあるんですね。
ありますね。
それは音楽に限らず。
そうですね。車もそうですけど、「これが欲しい」と思ったら、絶対欲しいというのがあるので。それを、他の人がこう言ったからこうしよう、とかはないですね。「私はこうなんです」という感じが多いので(笑)
そうなんですね、「成長してみたい」という思いも、今を起点にして、その延長線上にあると。
そうですね。はい。
ぽっと突然、違うことを始めるようなことは…
ないですね、そういうのはないです。今までもないですね。
じゃあ、大失敗した、というような経験もないですか?
あー、ないでしょうね。
やっぱり優等生タイプなんでしょうね。
そうなんでしょうね(笑) そうだと思います。慎重になり過ぎないようにはしてますけどね。
慎重になり過ぎない。それは何に関しても?
何に関しても、ですね。じゃないと、自分の性格上…まとまってしまうので。
羽目を外すんじゃないけど、ある程度ラフに。
そうですね。考え出したらキリがないので、まとまってしまうので、その前にやってしまおう!というのは、ありますね。
それは普段の行動とか、演奏にもそういうところが?
演奏になると、ちょっと別なのかも知れないですけど…普段の生活より、演奏のほうが「こうしたい!」という思いが強いと思うので…どうなんでしょうね?たぶん、先生たちからしたら、考えてまとまっているように聴こえるんでしょうけど、自分ではそういう思いはなくやっていたので…でもそういう素地があるから、出るんだろうなという気はします。
でも、そういう自分は肯定したいというところはあるんでしょうね。
ありますよね、自分が好きだと思うので。
[写真・文/OURSELVES 取材協力/Yan山口アートネットワーク]